二次方程式が理解できず「授業についていけない」「テストが不安」と感じている方は多いでしょう。
二次方程式の解き方は、今のうちに理解しておかなければ、高校受験や高校の授業など、この先の数学の内容でもつまづいてしまう恐れがあります。
本記事では、二次方程式の解き方を3パターンに分けて、わかりやすく紹介します。中学生によくあるミスについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
二次方程式の基本がわかれば、授業での理解度が向上し、テストで良い結果を出すための自信がつくでしょう。
- 二次方程式について理解できる
- 二次方程式の解き方3パターンがわかる
- 二次方程式のよくあるミスの対処法がわかる
二次方程式よりも前に習う方程式や連立方程式については、以下の記事で詳しく解説しています。方程式や連立方程式についても不安がある方は、ぜひあわせてご覧ください。
【中学数学】方程式とは?解き方や問題例についてわかりやすく解説
【中学数学】連立方程式とは?問題例や解き方についてわかりやすく解説
二次方程式の解き方の基本を理解しよう
まず、二次方程式の基本構造を理解しましょう。
二次方程式とは、最高次数が二次である方程式のことです。次数とは「文字の個数の合計」、つまり「文字右上の数字の合計」を指します。
したがって、xの2乗(xを2回かけ算しているもの)を含む式です。一次方程式と異なり、少し複雑な計算が増えます。
一次方程式と二次方程式の違いは以下の例を参考にしてください。
● 一次方程式:x+5 = 9、2x-3 = 9
● 二次方程式:x² = 9、3x²+4 = 1
二次方程式を解くためには、中学3年間で得たさまざまな知識を活用する必要があります。
解き方には以下の3パターンがあり、どの方法で解けるのかを見極めることが重要です。
1. 因数分解・・・因数分解ができる式 =0
2. 平方根・・・x² = 数 または(x²の式)= 数の場合
3. 解の公式・・・因数分解ができない式 =0
最初に、因数分解ができるかどうかを確認します。因数分解ができない場合、平方根の形になっているか、もしくはその形に変形できるかを考えます。
因数分解ができず、平方根の形にもできない場合、解の公式の出番です。
解き方の3パターンをしっかりマスターすれば、どのような二次方程式も自信をもって解けるようになります。
二次方程式の解き方3パターンをわかりやすく解説
二次方程式の解き方3パターンをそれぞれ詳しく解説します。
- 因数分解
- 平方根
- 解の公式
どのパターンか見極められるようになると、二次方程式の問題がぐっと解きやすくなります。
1.因数分解を使った解き方
二次方程式の中でも因数分解ができるものは、比較的簡単に解くことができます。
因数分解を使うと、2つの一次方程式に分解でき、それぞれの解をすぐに求められるためです。
具体例として、次の式を考えてみましょう。
x²+5x-6 = 0
この式は因数分解ができ、次のように変形されます。
(x-1)(x+6) = 0
因数分解ができたら、各因数が0になるときのxの値を求めると、以下が解となります。
x = 1 と x = -6
因数分解を使った解法では、たすき掛けを活用することが重要です。
因数分解を使って解く練習を積み重ね、効率よく解ける二次方程式の範囲を広げていきましょう。
2.平方根を使った解き方
2乗するとaになる数のことを、aの平方根といいます。
たとえば、4の平方根は±2であり、5の平方根は、±√5となります。
平方根を使った解き方は、「x2 = 数」または「(x2の式)= 数」の形に変形できる二次方程式において、シンプルに解を導き出す方法です。
解の公式を使わずに比較的簡単に解が得られるため、計算量が少なく効率的です。
具体例として、次の式は以下の手順で解が得られます。
x2-27 = 0
x2 = 27(-27を右辺に移項)
x = ±√27(√をつける)
x = ±√9×3(の中を簡単にする)
x = ±3√3
二次方程式が、x2 = 数の形になっていれば、2乗をなくして数に「±√」をつけると簡単に解を導き出せます。
平方根は、正の解と負の解が両方存在するため、「±」の符号を忘れないようにしましょう。
平方根の解き方を基本から復習したい方は、以下の記事を参考にしてください。
平方根の解き方は簡単?基本と注意点を中学生向けにわかりやすく解説
また、平方根を求める際に用いる素因数分解や素数については、以下の記事でも解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
3.解の公式を使った解き方
二次方程式で因数分解ができない場合、解の公式を使うと必ず解を見つけることができます。
解の公式は次の通りです。
ax2+bx+c = 0 のとき解は、x = -b±√b²-4ac/2a
具体例として、「x2-3x+1 = 0」という方程式を考えてみましょう。
「a = 1、b = -3、c = 1」を公式にそれぞれ代入して計算します。
x = -(-3)±√(-3)²-4×1×1/(2×1)
x =3±√9-4/2
x =3±√5/2
このようにして解を求められます。
解の公式は、平方根や因数分解が使えない場合でも適用できる万能な方法です。ただし「√」の中はできるだけ簡単にし、代入ミスや約分を忘れずに行うことが重要です。
解の公式を使う際は、手順を正確に守り、計算ミスを防ぎましょう。
二次方程式の解き方でよくあるミスと対処法
二次方程式は計算が複雑になる場合も多く、ミスが起こりやすいため、間違いがないか入念にチェックする必要があります。
ここからは、以下のよくある間違いと対処法について解説します。
- 間違った因数分解の適用
- 解の公式での計算途中のミス
二次方程式のよくあるミスと対処法について知り、実際のテストでのミスを事前に防ぎましょう。
間違った因数分解の適用
二次方程式のよくあるミスで、誤って因数分解をしてしまう場合があります。
たとえば、「x2+5x+6 = 0」を解く際、誤った因数分解として「(x+3)(x+3) = 0」としてしまうミスがよくみられます。
これは間違いで、正しい因数分解は次の通りです。
(x+2)(x+3) = 0
解は「x = -2 と x = -3」となります。
また、解が2つ存在するにもかかわらず、片方しか記載しないというミスもよくあります。
たとえば、「x = 0 と x = 2」のように解が2つあるにもかかわらず、最終的な解答に0を含めず、x=2しか記載していないケースです。
因数分解をする際は、積が元の定数項(例の場合は6)に、和がxの係数(例の場合は5)になる2つの数を探すことが重要です。
因数分解が難しいと感じる場合は、もう一度積(掛け算の結果)と和(足し算の結果)のルールを確認し、手順をしっかり理解しましょう。
解の公式での計算途中のミス
解の公式は計算が多くなりやすいため、計算途中のミスが起こる確率も高くなります。
解の公式で考えられるミスは以下のとおりです。
- ・公式を正確に覚えていない
- ・平方根を取る部分で計算を間違える
- ・約分をし忘れる
- ・符号を確認できていない
- ・解が1つになっている
ミスを防ぐための対処法として、次の項目を意識しましょう。
- ・解の公式を正確に覚える
- ・平方根や約分の部分はとくに注意深く計算する
- ・途中で符号を確認する
- ・基本的に解は2つ存在することを理解する
平方根を計算するときは、「√」の記号がある数をそのまま計算せず、まず「√」の中身を計算してから、最後に平方根を取りましょう。
解の公式を使う際は、公式を正しく覚えたうえで計算手順を一つひとつ丁寧に確認し、途中で間違いがないか慎重に見直すことが大切です。丁寧な確認によって、ミスを防ぎ、正確に解を導き出せます。
二次方程式の練習問題と解説
最後に、二次方程式の問題を実際に解いてみましょう。
【問題】
(1)x2-9 = 0
(2)x2-15 = 0
(3)x2+6x+2 = 0
・
・
・
【解答】
(1)x2-9 = 0
(x+3)(x-3)= 0(左辺を因数分解する)
x+3 = 0 のとき x = -3
x-3 = 0 のとき x = 3
答え:x = ±3
(2)x2 - 15 = 0
x 2 = 15(-15を移項する)
x = ±√15(√をつける)
答え:x = ±√15
(3)x2+6x+ 2 = 0
(解の公式に a = 1、b = 6、 c = 2 を代入して)
x =-6±√6×6-4×1×2/2×1
x =-6±√28/2
x = -6±2√7/2(√の中を簡単にする:√28 =√2×2×7)
約分をする
x = -3±√7
答え:x = -3±√7
さまざまなパターンに対応できるように、多くの問題を解き、二次方程式に慣れていきましょう。
まとめ
二次方程式には3パターンの解き方があり、まずはすべての解き方をマスターしたうえで、どの解き方が最適かどうかを見極める必要があります。
因数分解のミスや符号の間違い、解の見落としに注意し、さまざまな問題に挑戦していきましょう。
慣れるまでは難しいかもしれませんが、練習を重ねることで、徐々に自信がついてくるはずです。
- 二次方程式の解き方は3つある
- まずはどの方法で解くべきか見極める必要がある
- 因数分解や解の公式での計算ミスなどに注意して解く
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