「平方根を使った解き方がわからない」「計算方法は?」など平方根に頭を悩ませている方も多いでしょう。
平方根は、三平方の定理や二次方程式の問題で必要になってくる重要な要素です。しっかり理解しなければ、先の数学の内容でもつまずいてしまいます。
本記事では、平方根の考え方や押さえておきたい重要ポイントを紹介します。
さらに、平方根の計算や平方根を使った二次方程式の解き方についてもわかりやすく解説するため、苦手な平方根を克服したい方は、ぜひ参考にしてください。
- 平方根の基本を理解できる
- 複雑な平方根の対応の仕方がわかる
- 平方根を含む問題の解き方がわかる
平方根とを理解しよう
2乗するとaになる数を「aの平方根」といいます。
4の平方根は「2乗すると4になる数字」となるため、2が当てはまります。しかし、「-2×-2」も4となるため「-2」も4の平方根となる点に注意が必要です。
つまり、aの平方根とは² = aを満たすの値を指します。
平方根の概念を理解したうえで、3の平方根について考えてみましょう。
4の場合とは異なり、3の平方根は、2乗して3になる数が整数で存在しないため、簡単には見つかりません。このような場合に「√」を使用します。
「√」は「ルート」と読み、3の平方根は「とあらわすことができます。「根号」とも呼ばれ、平方根を簡潔にあらわすための記号です。
平方根が整数の場合は比較的簡単に見つかりますが、整数で表現できない場合は「√」を使って表現すれば求められます。
平方根の考え方は、ほかの数学の問題でも役立つため、しっかり理解しておきましょう。
平方根の解き方で押さえておきたい3つの注意点を紹介
平方根の解き方で押さえておきたい注意点は、以下の3つです。
- 必ず±をつける
- 「√」の中を簡単にする
- 分母の有理化を行う
それぞれの内容を理解し、平方根をマスターしましょう。
1.必ず±をつける
平方根を書くときは、必ず±をつけることが基本です。平方根は正の数と負の数の両方が存在するからです。
平方根は、正の数と負の数がともに同じ数になるため、±をつけなければ不完全な答えとなってしまいます。
具体例として「x² = 16」の平方根を考えた場合、正しい答えは「±4」です。しかし、問題文に「正の数は?」や「負の数は?」と指定がある場合には、それに従います。
平方根の問題でとくに指定がない場合は、必ず±をつけることを忘れないようにしましょう。
2.「√」の中を簡単にする
平方根の問題では「√」の中をできるだけ簡単にすることが重要です。
平方根の計算ができていても「√」の中の数が簡単な形になっていなければ、不正解とされる恐れがあるため注意が必要です。
「√」の中を簡単にするためには、素因数分解を使います。
たとえば「√4」の場合、4は2の2乗なので「√4 = 2」となります。
また「√18」で考えると「18」は「3×3×2」と分解が可能です。3が2つあるので、まとめて「√」の外に出して「3√2」とします。
「√21」や「√35」のように、素因数分解しても同じ数が2つ以上出てこない場合は、それ以上簡単にすることはできません。
「√」が出てきたら、まずは素因数分解をし「同じ数が2つあれば外に出す」というルールをしっかり押さえておきましょう。
素因数分解に必要な素数ついては、以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひ復習に役立ててください。
3.分母の有理化を行う
平方根が分数の分母にある場合、分母の有理化を行います。
分母の有理化とは、分母と分子に同じ数字を掛け、分母に平方根が含まれない形にすることです。
「√」中を簡単にする作業でもやったように「√」は2乗することで外に出せるため、分母に平方根がある場合、分母と分子の両方に同じ「√」を掛けることで分母から平方根を取り除きます。
これにより、分母が整数となり、計算が簡単になります。
具体例として「6/√3」を考えてみましょう。この場合、分母と分子の両方に「√3」を掛けます。
6/√3 = 6×√3/√3×√3 = 6√3/3
有利化したあとに、できる場合は約分をします。今回の場合、分母と分子を3で割ります。
6√3÷3/3÷3 = 2√3
「分母と分子の両方に同じ数を掛ければ、大きさは変わらない」という分数の特徴を思い出し、必ず分母に掛けた「√」を分子にも掛けることを忘れないようにしましょう。
平方根の解き方をわかりやすく解説
平方根の計算の仕方を、以下の2つの項目に分けてわかりやすく解説します。
- 足し算と引き算
- 掛け算と割り算
平方根の計算の基本を理解し、テストで確実に点数を取れるようにしましょう。
平方根の解き方|足し算と引き算
平方根の足し算と引き算は、普通の計算とは異なり「√」の中の数字が同じもの同士でしか計算できません。
平方根の足し算と引き算のルールは、中学2年生で学んだ多項式の計算に似ています。
多項式では「a+2a」のように、同じ変数「a」がある場合、そのまま足し算できますが、異なる変数(bやcなど)同士は計算できません。
たとえば「a+3b+2a-b」なら、(a+2a)+(3b-b)と入れ替えて計算し、答えは「3a+2b」となります。
多項式のルールを平方根に当てはめ「√3+√2+2√2」という式を考えてみましょう。
まずは「√2 」が共通しているため、まとめます。
√3+√2+2√2
= (√2+2√2)+√3
左側にある数字(係数)の足し算と引き算を行います。
= 3√2+√3
平方根の足し算や引き算では、必ず「√」の中の数字が同じかどうかを確認し、同じ数字をもつもの同士を計算するルールを頭に入れておきましょう。
平方根の解き方|掛け算と割り算
平方根の掛け算や割り算は「√」同士と「√」の前にある係数同士をそれぞれそのまま計算できます。
平方根の掛け算と割り算の例は、以下の式を参考にしてください。
√5×√3 = √15
√6÷√2 = √3
3√5×2√7 = 6√35
6√10÷3√5 = 2√2
掛け算や割り算を終えたら「√」の中をできるだけ簡単にすることを徹底しましょう。「√18」や「√60」などは、それぞれ「3√2」「2√15」と変換できます。
平方根の計算では、答えをもっとも簡単な形にすることが大切です。多くの問題を解き、平方根の計算に慣れていきましょう。
平方根を利用した二次方程式の解き方
平方根は、二次方程式の解を求める際にも活用できます。
二次方程式とは、最高次数が二次である方程式を指します。次数とは「文字の合計個数」、つまり「文字の右上の数の合計」のことです。
二次方程式が「X² = 数」の形に変形できる場合、Xはその数の平方根になります。平方根の考えを利用し、X²の2乗を取り除き、数の平方根を求めるだけで、解を導き出せます。
具体例として、X² = 3という方程式を考えてみましょう。Xは3の平方根であるため、解はX = ±√3です。
もう少し複雑な例として、(3X-2)² = 4という式を解きます。
(3X-2)² = 4
2乗をなくし「±√」をつけましょう。
3X-2 = ±√4
√4はルートを外せるため、±2となります。
3X-2 = ±2
-2を右辺へ移項します。
3X-2 = ±2+2
右辺は、+2に2を足した「4」または-2に2を足した「0」です。
両辺を3で割ると「X = 4/3」または「X = 0」という2つの解が得られます。
二次方程式の解を平方根を使って解く場合、2乗をなくし、数に「±√」をつけるのがポイントです。
また、二次方程式の解は2つあるため、0も忘れずに解に含めましょう。
二次方程式の解き方については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
二次方程式の解き方をわかりやすく解説|中学生によくあるミスも紹介
平方根の解き方が身につく練習問題と解答
最後に、平方根を使用する練習問題を実際に解き、復習しましょう。
問題1.
次の数を変形して√aの形にしなさい。
(1)4√3 (2)2√5
問題2.
次の数の分母を有理化しなさい。
(1)1/√3(2)35/√7
問題3.
次の計算をしなさい
(1)4√2-√32 (2)√3×√20÷√6
問題4.
次の方程式を解きなさい
(1)(X-3)²= 16 (2)(X+4) ²-24 = 0
【解答】
1.(1)4√3
= √(4×4×3)
=√48
1.(2)2√5
= √(2×2×5)
=√20
2.(1)1/√3
= 1/√3×√3/√3
= √3/3
2.(2)35/√7
= 35/√7×√7/√7
= (35×√7)/7
= 5√7
3.(1)4√2 - √32
= 4√2 - √(2×4×4)
= 4√2 - 4√2
= 0
3.(2)√3×√20÷√6
= √(3×20÷6)
= √10
4.(1)(X-3)²= 16
X-3= ±4
X= 3±4
X= 3+4 = 7 または X = 3-4 = -1
X= 7、-1
4.(2)(X+4) ²-24 = 0
(X+4) ² = 24
X+4 = ±√24
X= -4±2√6
X = -4±2√6
出典:千葉県「数学3 2章 平方根「平方根を含む式の計算」<準備問題①>」P3~6
出典:千葉県「数学3 3章 二次方程式「二次方程式の必要性と意味及びその解の意味」<準備問題①>」P5、6
まとめ
平方根の解き方は、考え方をしっかり理解すれば意外と簡単です。
平方根の問題を解くときは、±をつけることや「√」の中を簡単にすること、分母の有理化を行うことなどを忘れないように注意してください。
繰り返し練習を重ね、平方根をマスターしましょう。
- 2乗するとaになる数を「aの平方根」という
- 2乗してaになる数が整数では見つからない場合「√」を使用する
- 「√」の中を簡単にする、分母の有理化などの作業をしっかり行って計算する
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