中学2年生で学ぶ「連立方程式」について、1次方程式に比べて難易度が高く、なかなか理解が進まないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、連立方程式の解き方と問題例を紹介いたします。1次方程式との違いについても解説するので、ぜひ本記事を参考にして連立方程式の理解を深めてみてください。
連立方程式とは
連立方程式とは、2つ以上の未知数を含む方程式を2つ以上組み合わせたものです。たとえば、2つの未知数「x」と「y」を含む下記の連立方程式を例に挙げましょう。
x + y = 10
x - y = 4
これを解くと、下記のような結果になります。
x = 7、y = 3
※具体的な解き方は後述します
それでは、連立方程式は1次方程式と何が違うのでしょうか。
1次方程式は、1つの未知数を解くものです。たとえば、1つの未知数「x」を含む下記の方程式を例に挙げましょう。
x + 2 = 5
これを解くと、下記のような結果になります。
x = 3
このように、連立方程式は2つ以上の未知数を解くものであり、1次方程式とは異なるものなのです。
連立方程式の解き方
連立方程式を解くには「加減法」と「代入法」の2つの方法があります。
加減法
加減法とは、連立方程式を構成している式同士を加算・減算することで、文字の数を減らして、解を探す方法です。
①解きたい連立方程式を用意する
②同じ文字の係数をそろえる
③係数をそろえた式を加算・減算する
④答えを整理して、求める文字の値を求める
たとえば次の連立方程式を加減法で解いてみましょう。
3x - 2y = 5 ①
6x - 5y = 11 ②
①と②には、同じ係数(文字の左隣にある数字)の文字式がありません。そのため、まずは係数を揃える必要があります。
試しに①を2倍して、xの係数を②とあわせます。
6x - 4y = 10 ①'
6x - 5y = 11 ②
そして①' - ②をすると下記のような結果になります。
y = -1 ③
つぎに③を①もしくは②に代入します。今回は①に代入してみましょう。
6x - 4 × (-1) = 10
↓
6x - (-4) = 10
↓
6x + 4 = 10
↓
6x = 6
↓
x = 1
つまり、この連立方程式の解答は下記の通りになります。
x = 1
y = -1
このように、係数を揃えて計算することで、1つずつ解を特定することができます。
代入法
代入法とは、連立方程式を構成する一方の式を、もう一方の式に代入することで解を導く方法です。
①解きたい連立方程式を用意する
②解きたい文字を一方の方程式で表す
③表した式をもう一方の式に代入する
④答えを整理して、求める文字の値を求める
たとえば次の連立方程式を代入法で解いてみましょう。
y = x + 2 ①
x + y =8 ②
まずは①を②に代入します。
x + (x + 2) = 8
↓
2x + 2 = 8
↓
2x = 8 - 2
↓
2x = 6
↓
x = 3 ③
つぎに③を①もしくは②に代入します。今回は①に代入してみましょう。
y = 3 + 2
↓
y = 5
つまり、この連立方程式の解答は下記の通りになります。
x = 3
y = 5
このように、一方の式をもう一方の式に代入することで、1つずつ解を特定することができます。
連立方程式の計算問題例
連立方程式に関する計算問題をいくつか紹介します。
あわせて解答も記載しますので、まずはゆっくり考えてから答え合わせをしてみてください。
問題①
問題:次の連立方程式の解を求めなさい。
-2x + 3y = 4
5x + 9y = 7
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
解答:x = -4、y = 3
補足:下記の手順で、加減法で解きましょう。
-2x + 3y = 17 ①
5x + 9y = 7 ②
①を3倍すれば、yの係数を揃えられます。
-6x + 9y = 51 ①'
5x + 9y = 7 ②
① - ②をすれば、下記のようにxの解を導き出せます。
x = -4 ③
③を①もしくは②に代入します。今回は②に代入してみましょう。
5 × (-4) + 9y = 7
↓
-20 + 9y = 7
↓
9y = 27
↓
y = 3 ④
③と④が解答になります。
問題②
問題:次の連立方程式の解を求めなさい。
x = y - 4
3x + 2y =3
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
解答:x = -1、y = 3
補足:下記の手順で、代入法で解きましょう。
x = y - 4 ①
3x + 2y =3 ②
①を②に代入します。
3 × (y-4) + 2y = 3
↓
3y - 12 + 2y = 3
↓
5y = 15
↓
y = 3 ③
③を①もしくは②に代入します。今回は①に代入してみましょう。
x = 3 - 4
↓
x = -1 ④
③と④が解答になります。
問題③
問題例:次の連立方程式の解を求めなさい。
x/3 + y/2 = -2
3x - y = 15
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
解答:x = 3、y = -6
補足:下記の手順で、代入法で解きましょう。
x/3 + y/2 = -2 ①
3x - y = 15 ②
①に各分母の最小公倍数(6)をかけて、係数を整数にします。
2x + 3y = -12 ①'
3x - y = 15 ②
②を3倍すれば、yの係数を揃えられます。
2x + 3y = -12 ①'
9x - 3y = 45 ②'
11x = 33
↓
x = 3 ③
③を①もしくは②に代入します。今回は②に代入してみましょう。
3 × 3 - y = 15
↓
9 - y = 15
↓
- y = 6
↓
y = -6 ④
③と④が解答になります。
連立方程式の文章問題例
連立方程式に関する文章問題をいくつか紹介します。
あわせて解答も記載しますので、まずはゆっくり考えてから答え合わせをしてみてください。
問題①
問題例:あるテーマパークの入場料金は、大人2人と子供5人では40,000円、大人1人と子供2人では18,000円になる。大人1人、子供1人の入場料金はそれぞれいくらになるか答えなさい。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
解答:大人10,000円、子供4,000
補足:大人の入場料金を「x」、子供の入場料金を「y」と仮置きします。
2x + 5y = 40000 ①
x + 2y = 18000 ②
②を2倍にしてxの係数を揃えます。
2x + 5y = 40000 ①
2x + 4y = 36000 ②'
y = 4000になり、子供の料金は4,000円であることがわかります。また、この値を①もしくは②に代入します。今回は②に代入してみましょう。
x + 2 ×(4000) =18000
x = 10000になり、大人の入場料金は10,000円であることがわかります。
問題②
問題例:Aさんは家から2,000m離れたスーパーに行くため、はじめは分速70mで歩き、途中から分速100mで走ったところ、26分かかった。このとき、Aさんが歩いた距離と走った距離はそれぞれ何mになるか求めなさい。
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↓
↓
↓
↓
↓
↓
解答:歩いた距離は1,400m、走った距離は600m
補足:歩いた距離を「x」、走った距離を「y」と仮置きします。道のりは①、かかった時間(分)は②で表現できます。
x + y = 2000 ①
x/70 + y/100 = 26 ②
②に各分母の最小公倍数(700)をかけて、係数を整数にします。
x + y = 2000 ①
10x + 7y = 18200 ②'
①を10倍にしてxの係数を揃えます。
10x + 10y = 20000 ①'
10x + 7y = 18200 ②'
y = 600になり、走った距離は600mであることがわかります。また、この値を①もしくは②に代入します。今回は①に代入しましょう。
x + 600 = 2000
x = 1400になり、歩いた距離は1,400mであることがわかります。
問題③
問題例:ある中学校で、昨年のマラソン大会への参加者は全体で350人でした。今年は昨年に比べて、男子は10%減少して、女子は20%増加した結果、全体では360人まで増えました。今年の男子、女子の参加者はそれぞれ何人か求めなさい。
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↓
↓
↓
↓
↓
↓
解答:男子は180人、女子は180人
補足:昨年の男子の参加人数を「x」、女子の参加人数を「y」と仮置きします。昨年の参加人数は①、今年の参加人数は②で表現できます。
x + y = 350 ①
90/100x + 120/100y = 360 ②
②に各分母の最小公倍数(100)をかけて、係数を整数にします。
x + y = 350 ①
90x + 120y = 36000 ②'
①を120倍にしてxの係数を揃えます。
120x + 120y = 42000 ①'
90x + 120y = 36000 ②'
x = 200になり、昨年の男子の参加人数は200人であることがわかります。また、この値を①もしくは②に代入します。今回は①に代入しましょう。
200 + y = 350
y = 150になり、昨年の女子の参加人数は150人であることがわかります。
上記を踏まえて、今年の参加人数を算出します。
男子:200 * 90/100 = 180
女子:150 *120/100 = 180
つまり、今年の参加人数は男子が180人、女子が180人であることがわかります。
まとめ
本記事では、連立方程式の基礎知識について解説しました。連立方程式とは、2つ以上の未知数を含む方程式を2つ以上組み合わせたものです。
まずは加減法と代入法、それぞれを繰り返し練習をして、計算問題を解けるようになりましょう。また、文章問題については「速度」や「割合」が頻出の分野になるため、慣れておくのがおすすめです。
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